2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧
さて、ここまで3回ほど、デリダの「エコノミメーシス」という一風変わったタイトルの著作について考えてきました。 さしあたり、カントの構想力のなかにミメーシスとエコノミーを見てとる、というはなしは、まあデリダにしてはわかりやすくかつクラシックな…
デリダの論じるカントにおいては、いわば詩人の想像力ないし構想力のようなものが、神から与えられた資本のようになっていました。この神授説を必要とした理由は、とにもかくにもそこにだけ余剰があるからです。同じように、ラカンの論では、知もまた資本同…
Economimesis、読んで字の如くエコノミーとミメーシスのごっちゃ煮です。デリダにしてもあんまり芸のない造語ですが、それはさておきましょう。デリダは、判断力批判において、ミメーシスについての全理論が展開される箇所が、第43節の報酬のアートとリベラ…
楽器を弾かれるかたなら誰しも経験があると思いますが、同じ楽器を弾くひとのコンサートに出かけたかえりに、おもわず自分もうまく弾けるような錯覚に囚われて楽器を弾き始めてしまうことはままあります。 まあそんなわけで、マイスキーのコンサートに行けば…