2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

花冷え

さて、花冷えよりも冷え冷えとするような、なにかと後ろ暗くほの暗く、そしてまたもの悲しくもみっともない話題の(ごく局地的に)続いた昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。って言ってる端からTVではイギリス人どもが威風堂々に合わせてスクワット…

らららポンセ

さて、前回はフロイトの「大洋感情」をテーマにしながら、その拒絶の背景には、自我の形成過程あるいは個体発生にとどまらないなにがしかの歴史的変化があり、それによってわれわれは、「バラ色の光」のなかでは息もできない哀れな魚になってしまったのでは…

なからぎざくら

桜並木にほど近いところに住んでいるせいか、この時分桜に不自由することはありません。 なんてまあ、いいかげん、昔「常春の国、マリネラ」ってあったよね、と想起させるほどのワンパターンさ、だいいち、こないだ桜は終わったゆうたやんか、というツッコミ…

存在のスープ

さて、前回は春の感傷とともにラフマニノフを紹介しつつ、気を取り直してモッラー・サドラーの「存在認識の道 : 存在と本質について」(井筒俊彦訳・解説、岩波書店、1978)を紹介する、というところまで話をしました。 この本を紹介しておこうと思ったもう一…

歓楽極まりて哀情多し

春、桜の季節はもう終わり。 今年もじゅうぶんに桜を堪能する時間はできました。そんな時、いつも思うのは、僕らが春になる、春が桜になる、桜が春をする・・・といったような、そうした感慨です。サルトルなら吐くのでしょうけど、幸いにも立派なエイジャン…

チェシャ猫

さて、前回は近藤智彦「「出来事」の倫理としての「運命愛」ーーードゥルーズの『意味の論理学』におけるストア派解釈」(「ドゥルーズ/ガタリの現在」小泉義之、鈴木泉、檜垣立哉編、平凡社、2008、p. 41-57)を紹介しながら、さて、ブレイエ本人における「準…

パントマイム

さて、前回までの4回で、いちおうブレイエをなぞってきたわけですが、さすがに素人が(それも頭の悪い素人が)やるとどんくさく紛糾したものになることは避けられない、ということで、ここはひとつ、綺麗な補助線を入れておきましょう。ということで、今回は手…

生物学的唯物論

ここまで3回ほど、エミール・ブレイエ「初期ストア哲学における非物体的なものの理論」(江川隆男訳、月曜社、 2006)を中心に、ストア派の、前半二回は「構成と親近性」を中心に世界の構成を、後半第一回目の前回は、そこから「出来事」を取り出してみたので…

大奥炎上

するかどうかはともかくとして、宇宙は炎上する。それがストア派の火の神話、なのだそうです。 さて、前回まで、エミール・ブレイエ「初期ストア哲学における非物体的なものの理論」(江川隆男訳、月曜社、 2006)を中心に、A.A.ロング「ヘレニズム哲学 : スト…