2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

自主性の尊重

前回は、幻想の搾取、という話をしてみました。それがわれわれの隣人愛の形態である、と。そこにあるのは「奴の幻想を暴き立ててそれを享楽しよう」というメカニズムです。その際の決め文句はある意味自発性・自己責任。深層演技者の側も、また客の側も、互…

ハラスメント的連帯?

さて、前回は、十戒の第十番目、隣人の妻、奴隷、家畜等々を欲しがってはいけない、という掟についてのラカンのコメントで終わったのでした。この掟は、少なくとも隣人の妻に関して毎日この掟を犯している男の心の中に常に生きています、という、これまた身…

お客様目線なセクハラ

さて、前回は「感情労働」というのは同時に客の側の感情の搾取から成り立っているのではないかしら、と論じてきました。まあ若干短絡的という気もしないでもないので、話を労働者側の感情に戻しましょう。 ですが、たとえばより一般的に例えばケア労働、など…

恋人気分

さて、前回前々回と隣人愛にまつわる精神分析的小ネタを長々としてきたわけですが、それにはそれで理由があります。 先日U君が興奮して言うやうには、「アメリカ人もスチュワーデスに萌えるんですかね」すっちーはしらんけど婦人警官ものの洋物は見たことが…

迷惑な隣人

前回は、「隣人愛」の話から始まって、ラカン的な愛憎L'hainamorationの話へと展開してみました。 ですから、われわれはいつでも、この愛憎の表裏一体のなかで、その愛憎の対象の中に、真に愛している対象が存在しているのではないか、と考えることになりま…

汝自身の如く汝の隣人を愛せ

というのが、フロイト先生いたく気に入らなかったらしい、という話はよく知られています。 まあこれをもってして、うむ、精神分析は博愛の心を欠く近代のエゴイズム丸出しの・・・と難癖を付けてみても言い訳ですが、ラカンせんせいはこともあろうにこれを公…

愚か者よ

さて、今日はちょいと一発小ネタ。 前からちょくちょく、ラカンがファルスの享楽のことを、自慰的享楽、あるいは愚か者の享楽と書いている、ということはお話ししてきました。 うん、なんとなくわかるような気はするよね(実感)、とはいうものの、でもどうい…