2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

牛に引かれて

さて、このはなしの最初の回で、パースせんせいはどうにもこうにもイヤイヤながら、このとっぴな一元論に到達してしまったようだ、と書きました。しかし、パース先生も、なにもみすみす牛に引きずられるままに善光寺までたどりついてしまったわけではありま…

一個二個三項思考

さて、こうして形成される第三性について、パースはちょっと面白いことを言っています。もし、アヘンを飲んだ患者が眠るのはアヘンに催眠力があるためである、という命題があったとして、それは無内容に言葉をくり返しただけのスコラ的説明ではない。「それ…

悪意の時間

さて、前回はパースの連続主義と偶然主義から、ある種の時間論が描かれ得る、ということをちょこっと示唆して話を終えたのでした。 この問題について、パースせんせい本人はどういっているかというと、こんなことを言っています。 「時間とは、論理そのもの…

いちにのさん

さて、ここまでは、パースの一元論的な宇宙論を見ていき、その偶然主義と連続主義というところまで話を進めてきたのでした。 まず、世界の原初には、くだんの混沌があります。別な箇所でのせんせいのお言葉を借りれば、「全く不確定な無次元的潜勢態の純然た…

偶然の連続

さて、前回はチャールズ・サンダース・パースを取り上げて、かれが「いやいやながらも」シェリング的な精神と物質の一元論にまでたどりついてしまったあたりを眺めてきたのでした。 まずもってじゃあ、一元論にはつきものの、原初の一者みたいなのはなんだっ…

汚物は消毒だ?

さて、一元論倶楽部の皆様こんばんは、お久しぶりでございます。 一元論ってなんだ、という問があったとして、それにどう答えるだろう、と考えてみると、やっぱりいちばんシンプルな答えは、「宇宙が一つの卵」と考えられているかどうかであろうなあ、と思い…