2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

声の記憶

さて、前回、前々回と、信じるという言葉の使い方二種に対するラカンの考察を検討し、補助線としてフロイトおよびラカンのいうパラノイアの構造としての他者への不信、という話をしてきたのでした。 さしあたり問題は、「精神病においては、主体は諸々の声・…

不信人物

前回は、ラカンのcroire aとy croireの違いについてのご高説をうんうん言いながらひねくり回して、とりあえず関係しそうな箇所を拾っていったのでした。クワクワクワクワいっててまるでアヒルのようです。 女への愛と狂気が輻輳するこの論述、解きほぐしてい…

信じるということ

というと、なにやらジジェク先生に似たような名前の本があったような気がしますが、今回は別にレーニンだったりパウロだったりと最近流行の話題とは関係ございません。というか、あの辺の話題はマルクス主義にもキリスト教にも知識見識のない我が身が悲しく…

ぱーちーぱーちー

さて、ハイデッガーの退屈論の二番目はパーティーでした。親しい友人、美味しい食事、綺麗な音楽、食後の葉巻・・・何一つ退屈なところがなく、満足して帰路に就きます。でも、、あとから振り返れば私はやはり退屈していたのだ、ということ。「或る種の空虚…

ドナドナ

仕事の都合、それなりに電車に乗る機会はあります。 とはいえ、暇を潰すのになんら苦労するタイプではない(というか、どんな場所でもどんな短時間でも瞑想妄想夢想居眠りへのコースへ転落するのに困ったことはない)ため、あまり気にも留めなかったのですが、…

迫るショッカー

前回までは、まあ言ってみれば改造人間の話がちょっと暗く煮詰まってきたところだったわけですから、気分転換にちょっとした小ネタを紹介してまとめにしましょう。ネタの提供元はR大のM先生。お世話になっております。いちおうこちらで解説がてら、クライン…

人生設計

さて、東先生の著作ですっかりおなじみになった「動物化」という概念ですが、ここはコジェーヴの転向前のオリジナルモデルのアメリカモデルを参照しましょう。で、その順序をひっくり返して整理してみることにしましょう。 さて、ほんでは動物とは何か、と考…

ほんとのわたし

さて、前回は 「原材料(学生)を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけ企業へ出す。これが産学連携だ」という某えらいひとの発言を元に、大学教育における工場モデルとサービス業モデルの融合について考えていこうと話を切り出したので…