2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

賢者の石

というわけで、前回は「イギリス哲学で読む『星の王子さま』」なるインチキな小ネタをマクラに、そのままレオ・シュトラウス「ホッブズの政治学」(添谷育志、谷喬夫、飯島昇藏訳、みすず書房、1990)になだれ込んだわけでした。 この書物での、レオ・シュトラ…

マタンゴ

「いくら頭が良くったって、可愛くたって、キノコ人間じゃあねぇ」 (筋肉少女隊『マタンゴ』)「ゼニ勘定のほかすることない。おまけに毎日毎日ぼくはぁ〜カタギの男だからなぁ〜カタギの!ってそればっか。でもそんなん人間ちゃうで。おんどれキノコや。」 …

イタチ on the run?

さて、ここ二回ほど、ブルーノ・ラトゥール「虚構の近代 科学人類学は警告する」(川村久美子訳、新評論、2008)を読みすすめて来たわけでございます。 セールのこの「準-客体の理論」の節は、それ自体とくにラカニアン的にも多くの示唆を与えてくれる箇所です…

三杯目にはそっと出し

さて、前回は、ブルーノ・ラトゥール「虚構の近代 科学人類学は警告する」(川村久美子訳、新評論、2008)を読みながら、自然法則と社会構成みたいなんを綺麗に二分させ、その両者の間で犬も食わない喧嘩をしているように見せながら、その実相補的に機能させる…

kinky?

さて、精神療法の業界でも、一昔前、トラウマの現実性をめぐっていろんな議論があったことはよく知られています。 一方ではそれは紛う方なき現実であると断じ、他方はインチキ学問にとちくるったカウンセラーに吹き込まれた物語を信じ込んでるだけだと断じ、…