2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スピノザ的構成主義?

というわけで、前回からカッシーラーの「認識問題2-1」のスピノザ論を追ってきたのでした。そしてスピノザの最初期の草稿「短論文」では、なんとも興味深い、認識における絶対の受動性が描かれていることをみてきたのでした。そう、前回最後に引用したカッシ…

お皿のうえの肉まん

さて、流れ流れついでに、こうしたルネサンス哲学の系譜の流れをカッシーラーせんせいに従ってもうひとつだけ追ってみましょう。それはカッシーラーせんせい扱うところのスピノザ。もはや潜勢力というテーマとは関係なくなりつつありますが、いや遠回しに言…

エロスなインストール

さて、前回までは、ニコラウス・クザーヌスの包含complicatioと展開explicatioをまとめたカッシーラーを引用しつつ、流出論のアポリアである「なぜ流出せねばならないのか、そしてそんなにも強烈な断絶があるのなら何故それは起こったのか」という問題が、中…

メディア型人間

例によって話が流れ流れてきてしまいましたが、ここで前3回までの話をいちおうまとめ直しておくと、問題なのは個人の潜勢力の有効な開発(搾取?)でもなく、さりとて他人からエネルギーをもらうというわけでもない、そんなかたちの潜勢力というものはありえな…

チャンス・オペレーション?

さて、そうしたわけで、ここまでで問題なのは、まずは潜勢的なもの、という概念であることは想像がつきます。 ここでむずかしいのは、とりあえずアリストテレスの可能態と現実態には、見た限りのところあんまりこうした他者との関連性がない、ということでし…

バケツプリン

前回は、いくつかの庶民の生活のささやかな側面から具体例を拾ってくることで、もろもろの欲が可能態から現実態に変化するとはどういうことであるかを考えてきたわけでした。人間には食欲がある。そしてある日ある時お腹がすいてお腹がすいてたまらなくなる…

夏みかん

すこしまえの、ある日のことです 研究室の誰かがカップ焼きそばを作り始めました。ご承知の通りあの匂いは強烈です。というより、下品なほどに食欲を惹起するというほうが良い言い方でしょうか。べつだんそのときお腹がすいていたわけではさらさらないのです…