2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴミを宝に

サントームの話が昔からちょっと好きでなかったのは、ラカンがちょいとばかりジョイスによっかかりすぎる、というところがあるからでしょう。そりゃ、ジョイスは天才だったさ。彼の作品が、想像的なものの脱落を補って象徴的なものと現実的なものを結んでい…

犯人はお前だ

コナン君でも金田一少年(古いか、と思っていたのですがまたドラマシリーズが始まるらしいのでむしろ新しいのかもしれない)でもいいのですが、探偵ものを見ているといつも思うのは「犯人はこの中にいる!」というアレ、いいのかな、ということです。 そりゃ推…

Lady-made?

さて、割と昔から(裏付け無しに)提唱していた、というかしようとしていた小ネタの一つに、既製品の男性性、オーダーメイドの女性性、というネタがあります。 そのインスピレーションの源になったのは、噂に聞く抜きキャバほかの男性向け性風俗のあまりの流れ…

虚無との調和?

さて、前回から引き続き、焼かれた手紙のお話。ラカンの『エクリ』所収の論文、「ジッドの青春、あるいは文字と欲望」と、それに関するミレールの分析を引き続きまとめてみましょう。 王女メディアをラカンが援用したのは私の知る限りでは一カ所、ジッドの青…

無意識における燃やされた手紙の審級

ラカンがジッドについていくつか述べていた(エクリやセミネール第五巻などなど)ということはよく知られています。知人がそれで論文を書いていることもあって、個人的にも比較的なじみのテーマではあるのですが、気になる点が一つだけ。 もちろん、丹念に書か…

ミクロウォーズ?

前回は、脳と身体と私、みたいな話から、ミクロ権力の話と最近の症状の意味、というところまで与太を吹いていたのでした。いちおう、まとめというかオチを付けておきましょう。 心理学化する社会、と、最近よく言われます。本来なら社会問題であるべきところ…

あなたと脳と身体と

ある日の研究会でのこと。 性同一性障害の患者さんをたくさん抱えていらっしゃる、若い精神科医さんの発表のあと、おきまりの質疑応答になりました。 こういうとき、答えがすぐに出ると期待されるであろう質問以外はそうそうするべきではない、ということは…